(問題)
1辺の長さが1の正方形\rm{ABCD}がある。
\rm{AB}上に点\rm{P}をとり、\rm{P}を中心とし、
\rm{CD}に接する半径1の円を描きそれと\rm{AD,BC}の交点をそれぞれ\rm{Q,R}とする。
\rm{QPR}の取りうる値の範囲を求めよ。
ただし、
\rm{P=A}のときは\rm{Q=D,R=B}とし、
\rm{P=B}のときは\rm{Q=D,R=B}とする。

(解答)
\rm{QPA}=\theta,∠\rm{RPB}=\phiとする。
\rm{QP}=\rm{RP}=1より、\cos\theta+\cos\phi=\rm{AP}+\rm{PB}=1
(左辺)=2\cos(\frac{\theta+\phi}{2})\cos(\frac{\theta-\phi}{2})なので、
\cos(\frac{\theta+\phi}{2})\cos(\frac{\theta-\phi}{2})=\frac{1}{2}
\frac{\sqrt{2}}{2} \le \cos(\frac{\theta-\phi}{2}) \le 1
(左の等号が成り立つのは(\theta,\phi)=(\frac{\pi}{2},0),(0,\frac{\pi}{2})のとき、
右の等号が成り立つのは、\theta=\phiのとき)
\frac{1}{2} \le \cos(\frac{\theta+\phi}{2}) \le \frac{\sqrt{2}}{2}
0 \le \theta,\phi \le \frac{\pi}{2}なので、\frac{\pi}{4} \le \frac{\theta+\phi}{2} \le \frac{\pi}{3}
\rm{QPR}=\pi-\theta-\phiより、
\frac{\pi}{3} \le\rm{QPR}\le\frac{\pi}{2}・・・(答)

(問題)
1つのサイコロを投げてnの目が出たら
曲線y=(\sin x)^{[ n/3 ] +1}(0 \le x \le 2\pi)を描く。
このサイコロを2回投げて描かれる2つの曲線で囲まれた部分の面積をSとする。ただし、2つの曲線が同じときは、S=0とし、[ a ] aを超えない最大の整数を表すものとする。このとき次の問いに答えよ。
(a)Sの取りうる値を求めよ。
(b)S=0となる確率を求めよ。
(c)Sの期待値を求めよ。

(解答)
(a)[ n/3 ] +1の取りうる値は、1,2,3のいずれかであるので、
Sの取りうる値は、0,S_1=S_{11}+S_{12},S_2=S_{21}+S_{22},S_3=S_{31}+S_{32}のいずれかである。
ここで、
S_{11} : y=\sin xy=\sin ^2 x(0 \le x \le \pi)で囲まれた部分の面積
S_{12} : y=\sin xy=\sin ^2 x(\pi \le x \le 2\pi)で囲まれた部分の面積
S_{21} : y=\sin xy=\sin ^3 x(0 \le x \le \pi)で囲まれた部分の面積
S_{22} : y=\sin xy=\sin ^3 x(\pi \le x \le 2\pi)で囲まれた部分の面積
S_{31} : y=\sin ^2 xy=\sin ^3 x(0 \le x \le 2\pi)で囲まれた部分の面積
S_{32} : y=\sin ^2 xy=\sin ^3 x(0 \le x \le 2\pi)で囲まれた部分の面積
である。
以下、S_{11},S_{12},S_{21},S_{22},S_{31},S_{32}を求める。
0 \le x \le \piのとき、0 \le \sin^3 x \le \sin^2 x \le \sin x
\pi \le x \le 2\piのとき、\sin x \le \sin^3 x \le 0 \le \sin^2 x
であることに注意する。
S_{11}=\int_0^{\pi} (\sin x-\sin ^2 x)dx=\int_0^{\pi} (\sin x+\frac{\cos 2x-1}{2})dx
=[ -\cos x-\frac{-\cos 2x}{4}-\frac{x}{2}]_0^{\pi}=2-\frac{\pi}{2}
S_{21}=\int_0^{\pi} (\sin x-\sin ^3 x)dx=\int_0^{\pi} \sin x\cdot\cos^2 x dx
=-\int_1^{-1} t^2 dt\cos x=tと置換積分
=2[ \frac{t^3}{3}]_0^1=\frac{2}{3}
S_{31}=S_{21}-S_{11}=\frac{2}{3}-(2-\frac{\pi}{2})= \frac{3\pi-8}{6}
S_{12}=\int_{\pi}^{2\pi} (\sin ^2 x-\sin x)dx=[ \cos x+\frac{\cos 2x}{4}+\frac{x}{2}]_{\pi}^{2\pi}=2+\frac{\pi}{2}
S_{22}=S_{21}=\frac{2}{3} (∵y=\sin x,y=\sin^3 x(\pi,0)に関して対称)
S_{32}=S_{12}-S_{22}=(2+\frac{\pi}{2})-\frac{2}{3}= \frac{3\pi+8}{6}
S_1=S_{11}+S_{12}=2-\frac{\pi}{2} +2+\frac{\pi}{2}=4
S_2=S_{21}+S_{22}=2\cdot\frac{2}{3}=\frac{4}{3}
S_3=\frac{3\pi-8}{6}+\frac{3\pi+8}{6}=\pi
これより、
Sの取りうる値は、0,\frac{4}{3},\pi,4のいずれかである。・・・(答)
(b)
1回目の目をX,2回目の目をYとする。
P(S=0)
=P \{ (X=1,2 \, and \, Y=1,2) or (X=3,4,5 \, and \, Y=3,4,5)
or (X=6 \, and \, Y=6) \}
=(\frac{1}{3})^2+(\frac{1}{2})^2+(\frac{1}{6})^2=\frac{1}{9}+\frac{1}{4}+\frac{1}{36}=\frac{7}{18}・・・(答)
(c)
P(S=\frac{4}{3})=P(S=S_2)
=P \{ (X=1,2 \, and \,Y=6) or (X=6 \, and \, Y=1,2)}
=2\cdot\frac{1}{3}\cdot\frac{1}{6}=\frac{1}{9}
P(S=\pi)=P(S=S_3)
=P \{ (X=3,4,5 \, and \,Y=6) or (X=6 \, and \, Y=3,4,5)}
=2\cdot\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{6}=\frac{1}{6}
P(S=4)=P(S=S_1)
=P \{ (X=1,2 \, and \,Y=3,4,5) or (X=3,4,5 \, and \, Y=1,2)}
=2\cdot\frac{1}{3}\cdot\frac{1}{2}=\frac{1}{3}
∴求める期待値E(S)は、
E(S)=0\cdot\frac{7}{18}+\frac{4}{3}\cdot\frac{1}{9}+\pi\cdot\frac{1}{6}+4\cdot\frac{1}{3}=\frac{80+9\pi}{54}・・・(答)

(問題)
\rm{A,B,C,D}を平面上の異なる4点とする。
(1)同じ平面上の点\rm{P}が下記関係を満足するとき\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}\vec{\rm{PC}}+\vec{\rm{PD}}内積を求めよ。
|\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}+\vec{\rm{PC}}+\vec{\rm{PD}}|^2=|\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}|^2+|\vec{\rm{PC}}+\vec{\rm{PD}}|^2
(2)上記の関係を満たす点\rm{P}の軌跡はどのような図形か
(3) (2)で求めた図形が1点のみからなるとき、四角形\rm{ACBD}は平行四辺形であることを示せ。

(解答)
(1)\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}=\vec{a},\vec{\rm{PC}}+\vec{\rm{PD}}=\vec{b}とおく。
もとの関係式は、
|\vec{a}+\vec{b}|^2=|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2
とかける。
これより、
|\vec{a}|^2+2\vec{a}\cdot\vec{b}+|\vec{b}|^2=|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2
なので、
\vec{a}\cdot\vec{b}=0・・・(答)
(2)
\rm{AB}及び\rm{CD}の中点をそれぞれ\rm{M,N}とし、原点を\rm{O}とすると、
\vec{\rm{OA}}+\vec{\rm{OB}}=2\vec{\rm{OM}}
\vec{\rm{OC}}+\vec{\rm{OD}}=2\vec{\rm{ON}}
なので、
\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}=\vec{\rm{OA}}+\vec{\rm{OB}}+2\vec{\rm{PO}}=2\vec{\rm{OM}}+2\vec{\rm{PO}}=2\vec{\rm{PM}}
\vec{\rm{PA}}+\vec{\rm{PB}}=2\vec{\rm{PN}}
これと上記(1)の結果より、
\vec{\rm{PM}}\cdot\vec{\rm{PN}}=0
\rm{PM}\bot\rm{PN}
つまり、\rm{P}は、\rm{AB}の中点\rm{M}\rm{CD}の中点\rm{N}を直径とする円周になる。・・・(答)
(3)上記(2)の図形が1点のみからなるので\rm{M=N}
つまり、\rm{ACBD}は対角線\rm{AB}\rm{CD}がそれぞれの中点で交わるので平行四辺形
・・・(証終)

最後の部分については、例えば
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E8%A1%8C%E5%9B%9B%E8%BE%BA%E5%BD%A2
をご参照ください。

(問題)
\rm{A}=90^\circである直角三角形\rm{ABC}がある。
頂点\rm{B,C}をそれぞれ始点として、辺\rm{BC}に垂直な半直線l,mを頂点\rm{A}のある側にひく。
次に辺\rm{BC}上の任意の点\rm{P}より辺\rm{AB,AC}に垂線をひき、この延長がl,mと交わる点をそれぞれ\rm{Q,R}とする。
(1)\rm{Q,A,R}が一直線上にあることを示せ。
(2)台形\rm{BCRQ}の面積が三角形\rm{ABC}の面積の2倍になるとき、この台形の形を求めよ。ただし、\rm{AB} \ne \rm{AC}とする。

(解答)
(1)

図のように、\rm{A}を原点とし、\rm{AB}x軸、\rm{AC}y軸にとる。
\rm{AC}=1とし、\rm{AB}=b(b>0,b \ne 1)とする。
このとき、l,mの式はそれぞれ、y=bx-b^2及びy=bx+1となる。
\rm{P}の座標を[tex:(bt,1-t)(0